2008年12月24日水曜日

“国内交易”でパンダ到着も… 台北盛り上がらず



 【台北=長谷川周人】中国が台湾への寄贈を申し出たつがいのパンダが23日、中国四川省から民間専用機で台北に到着 した。陳水扁前政権は希少動物の国際取引を禁じるワシントン条約への抵触を理由に受け取りを拒絶したが、中台関係の修復を急ぐ馬英九政権はあっさりと受け 入れを決めた。中国は民意を取り込む「パンダカード」を台湾にも切った格好だが、台湾側はあまり盛り上がりを見せていない。
 台北近郊の桃 園国際空港に着いたパンダは四川省の自然保護区で飼育されていた「団団(トワントワン)」と「円円(ユエンユエン)」。中国側が命名した2頭の名前を合わ せると、中国語の「団円」(別れていた家族が再び一緒になる)となり、これが「終極統一」を目指す中台政権の政治メッセージとみる向きもある。
 パンダは空港到着後、およそ3億1000万台湾元(約8億4000万円)を投じて新設された台北市動物園の専用飼育施設に運ばれ、約1カ月間の検疫手続きの後、来年1月下旬の春節(旧正月)の連休から一般公開される予定という。
  中国は2005年5月、訪中した当時の連戦・中国国民党主席に寄贈を持ちかけ、急接近する国民党との融和ムードを演出した。だが、「主権独立」を主張する 陳前政権は中国による懐柔工作を警戒し、パンダ寄贈を「国家間取引」と位置付け、ワシントン条約を盾に申し出を拒否した。
 これに対し馬総統は今年5月の就任早々、パンダを受け入れると表明。パンダと引き換えに台湾側は希少動物のカモシカを送り、受け渡しは「国家間」ではなく、「大陸地区と台湾地区における希少動物の交換」という枠組みで行うことを決めた。
  このため日中間で取り交わす「貸し出し方式」とは異なり、年間100万ドル(約9000万円)の賃料は発生しない。書類上は中国四川省の「成都」から「台 湾台北」への移動という扱いで、台湾の中央通信によると、ワシントン条約事務局(本部・ジュネーブ)広報官は22日、取引は「国内交易と見なす」と確認し た。
 ただ、台湾側にかつてのパンダ・フィーバーはなく、パンダ・グッズの売り上げなどによる経済効果も期待しにくい状況だ。馬政権は支持率低迷が続く中、こうした失望感の拡大を警戒している。


受け止め方の問題なのか、中台の友好関係がかなり進んだらしいコトだけTVで見かけたが、この辺の「失望感」の話は出てこなかった。 善し悪しの問題ばかりでなく、ここが接近するようになるコトの意味を考えてみるべきなのかもしれない....。

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